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Report File:2016.05

05|11月24日(日)文部科学省グローバル人材育成推進事業採択校(東日本第2ブロック)イベント 会場:お茶の水女子大学「グローバル人材育成フォーラム」

2016年の3月にドイツのケルンで開催されたGlobal Design Initiative Workshop(GDI)へ参加した、視覚伝達デザイン学科の宮崎日向子さん。アメリカでの生活経験もある宮崎さんにムサビでの活動や今年のGDIについてお話し頂きました。

Global Design Initiative Workshop(GDI)について

GDIは、2014年2月に東京ミッドタウン・デザインハブにて開催したGlobal Design Education Forum(http://d-lounge.jp/2014/01/3280)にて発案・合意をえた5大学【Köln International School of Design(ケルン/ドイツ、本学協定校)、Central Saint Martins, University of the Arts London(ロンドン、本学協定校)、LASALLE College of the Arts(シンガポール、本学協定校)、実践大学(台湾、本学協定校)、武蔵野美術大学】が持ち回りで主催する国際ワークショップです。(https://global.musabi.ac.jp/topics/620/

アメリカでの生活

自動車メーカーに勤める父の転勤により、日本で小学5年生を終えてからアメリカに渡り、オハイオ州のパウエル(Powell)という町で生活しました。アメリカの義務教育制度では、教育課程に日本の幼稚園(英 kindergarten)の年長組に当たる1年間を含めるのが一般的なので、通常は初等・中等教育を称してK-12(幼稚園から12年生まで)と呼んでいます。ちなみに小学校5年間、中学校3年間、高校4年間の合計12年間の学校制度が主流です。私はアメリカに6年暮らしましたが、高校2年から高校4年へ飛び級しています。

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ムサビの視覚伝達デザイン学科へ

昔から美術・デザインに興味がありましたが、どちらかというとファイン系はあまり得意ではないような気がして、方向性としてはデザイン系なのかなと考えていました。ちなみに、私の高校では美術の授業科目が16個くらいあっていろいろ選択ができました。高校卒業後は、当然アメリカの大学に進むという選択肢もありましたが、日本のバックグラウンドを持った上で就職したほうが将来的に役立つと考え、6月の卒業後に日本へ帰国して大学入学への準備を始めました。ちなみに、ほとんどのアメリカの高校では9月入学、6月卒業の制度です。帰国後、美術予備校に通い、帰国生に特化した入試ということで、ムサビの視覚伝達デザイン学科の帰国生入学試験を受験しました。

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視覚伝達デザイン学科での学び、留学生との交流

後藤吉郎教授の情報デザインを履修しています。授業では交換留学生向けの防災マニュアル(QUAKE SMART)を作成しましたが、その基礎データをとるために小平市役所や立川防災館などを訪れるなど幅広く活動を行いました。授業以外では、1年生から入居しているムサビの国際寮で、3年生から留学生向けのレジデントアドバイザー(RA)を担当しています。留学生との交流が本当に楽しいです。

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宮崎さんがムサビの授業で制作した防災マニュアル「QUAKE SMART」

GDIとの出会い、参加するための準備

GDIを知ったのは、1年生の時でした。デザイン情報学科の長澤忠徳教授(現学長)の「Interactive Innovation」という全て英語で行われる授業へ先輩と参加し、GDIというおもしろい取り組みがあるということを紹介してもらったのがきっかけです。
(*学長と。手に持っているのは、WS期間中に参加メンバーが持ち回りで、それぞれの出身国のメニューをつくったもの。私たちは日本人ということで「巻き寿司」などをつくりました。)

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ワークショップ期間中にはメンバーが持ち回りで、出身国の料理を作り、宮崎さんは「巻き寿司」などをふるまった。

今年のGDIに参加するメンバーには、事前に自己紹介ムービーを作成する課題が出されました。作成後、インターネットで公開され、参加メンバーはケルンで集まる前にお互いのことを知ることができました。

宮崎さん作成のムービー

GDIで経験できたこと、気づいたこと

1チーム5人の3グループで活動を行いました。プログラムの進行はKSID(ケルン)の教授が務め、5大学の教員が相談して決まったテーマは「デザイン・ストレンジネス」でした。ワークショップの導入として、私たちは街中にある「ストレンジ」なものを探しに行きました。
チームでズートシュタッド地区を歩き回った時に、街中にパイプが設置されているのを見つけ、それは最終的にはライン川につながっていました。これは何だろうという疑問を持ち、街中の人にインタビューをすると、この長いパイプは地下鉄工事により地盤沈下した事故現場に溜まった水をライン川に排出するものでした。現地でヒヤリングしたところ、このパイプはネガティブなものだけど、残すことであの事故を忘れないことが一番大切だという人がいて、妙に納得できました。その他、例えば、ミュルハイムというトルコ系住民が多く居住する地区へ調査に行ったチームがありました。事前情報だとあまり治安が良くない地区だと言われていたのですが、トルコのティーポットをモチーフに地域を活性化しようという提案などがあったようです。
また、心に残った出来事として、その地盤沈下の現場にポストイットなどを貼り、コメントを描けるようにペンを置きました。みんなが興味を持ってくれるか不安でしたが、割と街行く人がコメントを記入してくれて、パブリックにおける人々の反応は、日本と違いポジティブなのかなと思いました。

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ズートシュタッドの街中に設置されているパイプ

今後に向けて

GDIに参加し、ものごとを多面的にとらえるということがわかったのと、やろうかやるまいか、迷うぐらいならやろうと思いました。それと、討論のとき、海外の学生は物おじせずどんどん議論をぶつけ合いますが、ともすると議論がまとまらないことがよくあります。そんなとき自分はこの議論がどうすればまとまるのかということを考えていました。そういうある種の協調性のようなものはとても大事だと思ったので、将来海外で仕事をするとなった場合には、そういう部分も意識しながらやっていければと思いました。

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GDIに参加したメンバーとのプレゼンテーションの様子

GDIの良さをみんなにPR

本気の議論、討論をしたい人にはぜひおすすめです。それと、先入観はだめ、ポストイットとペンでもアクションを起こせるということをみんなに知って欲しいです。

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参加メンバーと。前列左から4人目が宮崎さん。後列左から1人目が建築学科・鈴木明教授

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